2009年4月7日火曜日

足を怪我したハシボソが居ない

オラに絡んでくる子供が言うには海岸に黒い鳥の死骸があったのだという。
ああ、きっとそいつだな。
喧嘩で右の関節を怪我して飛び立つのに一苦労だったので、多めにエサをあげていたのだが、死んだようだ。

健康体のときはすぐに逃げられる自信があったので近くまで来ていたのだが、片足だけでジャンプしなければならないと逃げるのにワンテンポ遅れる。
カラスは弱った固体を虐めるという悪い癖があるが同族同士で死に至らしめる事はない。
今は縄張り争いが激しいから各所で空中戦と肉弾戦を繰り広げている。

怪我をしたハシボソはきっとボスに特攻されて骨折したのだろう。そのボスも左眼の瞼に傷があった。
よく見ると大人しくしている個体は何かしらの怪我を負っているようだ。

外敵に襲われ、仲間とのエサの争奪戦で怪我をして、縄張り争いで怪我をして、その怪我で死ぬことがあるからバランスが取れて強い個体が残る。
普段はあんなに知的で人懐っこくて綺麗好きで大人しいカラスも、ハシボソのボスクラスになると物凄く強く、この時期は特に凶暴だ。
まぁ、それでもオラには威厳を保ちつつエサよりも縄張りみたいな素振りを他のカラスへ見せてはいるが、他のカラスが見ていないところに降りてきて「いやぁ、いつもスマンね」みたいな顔で寄って来る。
はいはい、分ってますとも。あんたも大変だね・・・みたいな心の会話。いつもドギツイ目のハシボソ東のボスも、最初に出合ったときのように優しい目になっているのを見てちょっと可笑しくなる。
東の入り口の白チョッキなハシボソのボスも、他のカラスや人が見ている時は威厳を保ちつつ厳つい仕草で寄ってくるが、誰も見ていないときはトットコと走ってくる。鳥なのに走ってくるってのはかなり可笑しい。
オラの条件付けが「地面に居ないとあげないよ」なので走ってくるようだ。
いや、飛んじゃいけないって言ってないんだけどね。
なぜか、飛んじゃいけないと思っているらしい。それとも、飛んだら他のカラスに見つかるからか?
なかなか強かなやつらだ。ま、それだけ常に考えて行動しないとより多くのエサをゲットできないということなんだろうな。

ハシボソはスタイリッシュでスマート。
ハシブトはくつろいでいる時はふんわりモコモコ。
どっちも好きだけどハシボソはその賢さ。
ハシブトは仕草が可愛い。
遺伝子的にはそんなに変わらないんだろうと思うけど、この日本のどこにでも居るもっとも繁栄しているカラスはそれぞれが互いに競っているからこれだけ頭が良くなったのかも知れない。

争い、競うことで発展してきた人類に似ているかも。

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