2010年3月17日水曜日

東芝が白熱電球の製造を終了

120年前に国内で白熱電球の製造をはじめて開始した。
40億7000万個もの電球を世に送り出した東芝。
本日をもってその生産を終了した。
白熱電球に代わって普及しているのはLED(発光ダイオード)の電球。
LEDの特徴は、白熱電球と違って熱による電力のロスが非常に少ない事。
つまり、少ない電力で同じ明るさを出せるということにある。
値段はめちゃ高い。ただ、ランニングコストと寿命は白熱球や蛍光灯電球よりも桁違いに長い。

さて、同じように少し昔から発売されている蛍光管の電球は単価が安く、白熱球よりも消費電力は100Wクラスで17Wと低く、更に寿命も長い。値段は500円から。

さて、ここまでは消費電力と寿命の話をしたが、電球の役割としては明るさや光の質が最も重要な要素。

白熱球はフィラメントという電熱線に電気が流れて光ると同時に高い熱を発生する。
蛍光灯電球も白熱球よりは電気から光への変換効率は高いが、温まるまで少し暗いし、熱も出る。
LED電球は熱を殆ど出さず、光は点灯時から最大である。熱を殆ど出さないため、光へのエネルギー変換率は最高。

ここまではネットを見れば誰でも答えが出る白熱球と蛍光灯電球とLED電球の違いだ。
しかし、あおもりくま総合研究所としてはこれで終らない。

まず、家庭に届けられる電気は交流電流である事。
西日本で1秒間に60回。つまり、60Hzという電位の反転サイクルで届けられている。
東日本は1秒間で50回。つまり、50Hzという電位の反転サイクルで届けられている。
これが意味する事は簡単だ。電位の反転回数分だけ電球は点滅している事。
つまり、1秒間に50~60回の点滅が起きていることになる。

白熱球は電熱線が光っているから点滅は殆ど感じない。
蛍光灯電球は、安定機で電圧を上げて蛍光灯の両端から電子を飛ばし、蛍光塗料に電子がぶつかって光っているため、点滅が分かりやすい。
LEDも同じだ。単に、LEDに適した直流で電圧の3V~4.5Vまで電圧を下げるための回路を通る。
交流を直流に変えるには整流器(ダイオード:電気の反転を繰り返す交流を一方通行にしか電気を通さない電子部品)を使う。反転している電流の反転部分をカットしているため、電気は断続したものになる。
つまり、普通の持続した電流ではなく途切れ途切れの直流になる。
電気が通った時にしか光らないLEDは、電気が通った時に光り、途切れた時には光らない。
つまり、蛍光灯とLEDは、西日本では60回。東日本では50回点滅していることになる。

蛍光灯やLED電球に手をかざして軽く手を左右に振ってみよう。
手の残像が途切れているだろう。これが目に見えない(あまり分からない)点滅である。
一方で白熱球は消した後も残光が残る。蛍光管の蛍光塗料も少しは残光時間があるが白熱球ほどの残光持続時間は無い。
フィラメントが白熱するため電気が切れてもコンマ数秒ほど光っているためだ。
このため、白熱球は点滅を感じることができない電球である。

人間の目にとってこの点滅は人によって感じ方が違うが、少なくとも白熱球の光と違って蛍光灯やLED電球は目が疲れる。
何せ、感じるかどうか分からないギリギリに範囲で激しく点滅している光の下に長時間居るのだから。
人間の眼が感知できる光の波長はWikipediaを参考にして欲しい。

まぁ、端折ると一般的には秒間30コマ以上は違いを認識できないということにはなっている。
TVは1秒間に30コマ。映画は24コマだ。これで動いている事を認識できる。

個人差もあるが、どれだけ高速の物体を眼が捉えられているかで視力が違うため、疲れやすい人間も居れば、気にならない人間も居るということになる。
ただ、点滅を殆ど感じることが不可能な白熱球の方が間違いなく目にはやさしい。

あと、気持ちの問題もある。
白熱球の光は柔らかく温かみがあり、蛍光灯やLEDはシャープで明るく冷たい光。
そう感じるのは気のせいではないだろうということ。

老後は白熱球の柔らかく暖かい白熱球の間接照明でまったりとした時間を過ごしたい。
そう思う人はいまのうちに白熱球をしこたま買い溜めしておくのも良いだろう。
ついでに、電球のソケット規格が変わると困るから、電球ソケットも買っておこうね。

(* ̄(エ) ̄)ノ オラは白熱球の光が好きだ!

で、LED電球の点滅を抑えたり点滅をさせない方法はある。
交流100Vを整流して、直流3~4.5Vに下げたら、電解コンデンサなどの蓄電器で電流の波形を滑らかにしてやればいい。
たったこれだけで電気は限りなく一定量流れて途切れることなくLEDに電気が供給される。
つまり、点滅が無くなるのだ。これは電解コンデンサの容量や性能にもよるが、回路が大型化することと寿命が短くなる事。暗くなることが挙げられる。

暗くなるのはLEDが断続的に給電されると、流しっ放しよりも明るく光るため。
高輝度LEDの懐中電灯も、実は断続的に電気を流す回路を通してバカみたく明るい光を出している。
オラ的にはモロに点滅が分かる光り方。
当然、蛍光灯もLED電球の点灯も見えているから目が疲れる・・・
異常視力は良いことばかりではないのだ。

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