それは、対象を複数の人間同士に於いて共通認識として確実なものにするためのもの。
カラスだったりスズメだったり、ネコだったり犬だったり。その単語で誰しもがそれであると分かるための手段であり表現である。
オラはスズメをチュンと呼び、カラスはカーと呼ぶことがある。というか、チュンに関してはスズメという表現をあまり使わない。チュンチュン鳴くからチュン。それも言葉でチュンと呼ぶよりも、スズメ語の発音でチュンと発声することも普通。
ハシボソはカーというよりも、ンガー!だし、ハシブトはォア!ォア!ォア!と鳴く事の方が多い。
ニンゲンが彼らスズメと言ったり、カラスと言ったものとコミュニケーションするとき、最も相手にダイレクトに伝わるのは相手の鳴き声の模写である。これは長年動物の声帯模写をしているオラには当たり前なのだけれど、犬に向かって、「おい、犬!」と言っても犬は自分が呼ばれているのか分からないし、ネコに「おい、ネコ!」と言っても分かるはずも無い。「ああ、ニンゲンがコッチ見て何か言ってるな。オレの事だろうか?」って程度だろう。まぁ、勘の良い個体も居るから本当に言葉を理解している連中も居るかもしれない。
例えば「地域ネコ」誰に飼われている訳でもなく、家々を転々と巡回しながらエサを貰ってる野良なのだが、家ごとに違う名前を付けられているし、ネコも「この人は、たぶん自分のことを●●と呼ぶのだろう」位は理解しているかもしれないし、「名前なんてどうでもいいじゃんか、メシを貰えるなら何でもいい」とか思ってる方が正しいかも知れない。
だけど、オラは個体識別はしても名前を付けない。自分のペットじゃないしね。それに、それぞれに名前を付けて相手にしているってのが恥ずかしい。いや、名前を付けてそれを声に出しているところを見られたら赤面モノである。
だから、オラは相手のよく発する言葉を模写している。「え?オレ呼ばれてるじゃん?」そう直ぐに分かるように。 それに、ニンゲンも同じ考えをすると思うけど、相手が自分の使用している言語を操ってる方が、気を許しやすいんだよね。日本人だっていきなり外人から相手の母国語でペラペラ早口で話しかけられたら逃げる人が居るでしょ?。
でも、自分の使用している言語を使う相手には「ああ、話だけでも聞いてみよう」って気になるじゃん。
まぁ、カラスほど頭が良い動物になると、視線や態度だけで会話が成立しちゃうんで、実際にはカラスにゃカラスの言語で話しかける必要は無い。普通にニンゲンの言葉で相手の目を見ながらジェスチャーを交えて気持ちを伝えるだけでいい。だからオラはカラスの言語を殆ど理解しているが、実際にそれを使うのは「威嚇・怒っている・出て行け」の3つくらいなのだ。
それにカラスの場合、縄張りがはっきりしているから地域名で個体識別するだけでいい。名前なんて家族になったら付けてあげればいいのだ。だけど動物を家族に迎えるってのは死別のときのダメージが大きい。だからオラはもう動物は飼わない。そんな訳で彼らとはトモダチという関係で居るのが一番良いのかも知れない。互いを束縛しないしね。自由である野生の連中には名前も縛りも似合わない。
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