2010年5月22日土曜日

カラスの生態:ふぉっふぉっふぉ!カン!ぉあぉあぉあ!

黒い3年生(ハシブト♂3歳)がオラを見つけたときの音。
フォッフォッフォ!は羽音。カン!は階段の手摺に着地した音。
ぉあぉあぉあ!は固体識別が容易な彼の挨拶だ。
1年生のときに教えた「おはよう」は「ぉぁよぉ」しか言えなかったのだが、「ぉあぉあぉぁ」がおはようの代わりらしい。
それでも色んな言葉を覚えようとぐぜってるのを見ると、なかなか勉強熱心な固体である。
顔の横1mくらいのところに来る彼は、ここらのハシブトの中でも最も愛嬌がある。
昨年はオラと少し距離を置いていたのだが、カラスの思春期は2歳なのかな?と思うところがある。
ハシボソも巣立ち1年未満の時はけっこう向こうからオラというニンゲンを観察してきたが、2年になったら急に疑うようになった。
しかしどうだ。3歳となり大人になった彼は自分という個性と考え方を獲得したようだ。

カラスの場合、年齢に関係なく、3ヶ月くらい経過すると遊び盛りの人間の子供のような振る舞いをし、ハシボソ・ハシブトの違いを意識せずに子供同士で遊ぶことがある。親同士はすごく仲が悪いのにね。
まぁ、ボソとブトの子供同士の戯れについては、神経質なボソの親でも放置ってことも分かったし。
ちゃんと子供の顔を覚える近所のオバチャンみたいな感じ。
子供同士のちょっとしたじゃれ合いや喧嘩は生暖かく見守っているという印象を受けた。

そのときの1羽がいま、ウチに通っているブトなのだ。
兄妹のうちの兄の方で、西ボスの兄弟と4人でよく遊んでいた。
彼そのものはそういう経験から特にボソに対して敵対視することはない。
だから、もともとここを縄張りとする大人のボソに「ここはオレの食堂なんじゃい!」と「んがぁ!」されることはあるが、彼は彼なりに「この人間は知り合いなんだよ!」とかいう態度を取っている。
最近ではボソも仕方が無いなという態度を取るようになり、人間関係ならぬカラス関係は比較的良いようだ。

それというのもカラスの学校(1年生が集団を作って越冬する様子のオラ的たとえ)でも見られるように、元々カラスには集団生活を学ぶという遺伝子が組み込まれていると推測できる。
先日見た大集団(空港有料道路からまっすぐ浪岡に入って国道7号にぶつかった交差点が朝の集会所になっている)はボソが大半を占める若いボソの群れで、彼らはまず学校で集団生活を経験しながら力関係や言葉、遊びを学んで共有するのではないかと推測される。

こういった大集団がいつ解散してどこに行くのかは知らないが、特定の地域のカラスを全滅させても、他の地域からやってくる固体によって縄張りがまた形成されるだけで何の解決にもならないのは間違いないだろう。
カラスはエサとなる人間の出したナマゴミの量で個体数が大きく増減するというのは理解できるとして、彼らのようにあれほどの数のカラスがそれぞれの自分の城(縄張り)を持つ(または見つける)のは可能なのだろうか。

もちろん、アレが全部生き残るわけでもなく、相当数の若いカラスが冬のエサ不足による飢え、外敵に襲われたり仲間からの虐め、交通事故で死亡するのだが、結果としてその中の強い固体。頭の良い固体が残っていくので我々が目にしている大人のカラス達は必然的に経験と知恵を持ってそこに存在していることは間違いない。

オラ的には生きる為には手段は選ばず、誰とでもコミュニケーションを取ろうと試み、例え敵対関係のある種族でもちゃんと相手の個性を理解して共存する方法を模索している彼らの生き方というものは素晴らしいと思うし、例えば上位であるオラがルールを求めた場合にそれを理解して実践する固体というのは、人間とカラスの平和的共存という研究の中で非常に参考になる。

オラが彼らに教えることも多いが、彼らからオラが学んでいることもまた非常に多い。
なにせ、彼らのニンゲンカンサツというものは日課であり、「いつ、どこで、どこを、どうする、何が、何である」という分析能力も彼らが持っている習性だ。

実例を挙げよう。
「浪打病院の、前を朝に通過する平ボデーで銀色のシートが掛かった水を垂れ流しているトラックは、魚を積んでいるので、シートの、運転席側には隙間があって、そこから魚をゲットできる。信号で止まったらチャンスで、動き出すまでには十分な時間的余裕もある。」
これはオラが何度も目撃した例である。

きっかけはたまたまなんだろう。
たまたま、トラックのシートから魚が見えていたんだろう。
で、そのトラックはどいつもこいつも水を道路に線をひいたように垂れ流していると。
でもって、その時間はだいたい同じような時間であると。

他の鳥というよりも、主にスズメ目の鳥で繁殖能力が高いスズメやカラスなんかは、頭が良い。
いや、逆か。頭が良いから繁殖能力が高いのか。加えて雑食であることが多い。
でもって、ニンゲンに対してみんなが敵だと認識しているわけではなく、特定のニンゲンを記憶して、そいつだけ相手にしていればお飯が食えると理解している。
さらに加えて、そういうニンゲンを見分ける能力もあるのだろう。
当然ながら表情を読むというか、目つきや視線を非常に意識していて、目配せ(アイコンタクト)によるコミョニケートもしばらく付き合えば可能になる訳だ。

身近な犬や猫にしても動物というのはたいていの場合相手の顔や態度、雰囲気を察してどう接するか考えている。人間同士の場合、話し相手の目を見ずに言葉だけでコミョニケーションを取ろうとするのも居る訳だけど、そういった場合は相手の意図が読みにくい。
でも、彼らと接していると、実に多彩なアプローチの方法があると分かるし、感情表現も非常に豊かである。人間付き合いが苦手な人間は、まず、動物たちの行動を参考にしてはどうかと思う毎日である。

(* ̄(エ) ̄)ノ 特にカラスとスズメは面白いよ・・・と付け加えておく。

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