田代元湯2013 行って来ました(近況)
「行って来ます」は行ってから帰ってくること。オラはそう理解している。つまり、行って、無事に帰ってくることでもあり、それを確約または可能な限り努力するということではないだろうか。
例えば、これからちょっと死ぬかもしれない危険な場所に行く場合は「ちょっと逝ってきます」な感じなんだろうけど、こちとら幼稚園に入る前からの山男である。幼少期にそのような経験をしておくと脳がそれに対して効率的な回路を形成する。6歳までに深視力を会得しないとその後は深視力を理解できないことと同じではないだろうか。
中高年になって自分の自由な時間と金ができたから「登山でも始めよう」というのはオラに言わせれば「山歩きのプログラムが無い状態で山に行く」ということだと思う。そもそも「○○でも」って気軽さで山に入るから事故が起きる。
オラの山への「行って来ます」は「行くけど無理せず楽しんで帰ってきます」と同義なので、行って帰ってくるはセットなのであり、行くことが目標ではない。帰宅するまでが修学旅行(遠足)である。これは良い言葉だと思う。
もちろん、全行程には、お出かけ前の火の元確認、戸締り確認から始まり、道中の交通安全および、車から降りて装備を確認し、獣道を延々と藪を漕いで全壊寸前のつり橋を渡る。まったり綺麗な湯船と湯に入浴し、散々下った獣道同然の山道を、倍の時間をかけて登ってから車に乗って、更に帰りの道中の交通安全にも万全を期して帰ってくるまでが全て。入浴できたバンザイ!・・・ではないのだ。
さて、危険なのは百も承知の田代元湯。昨年同様に彼が早々にレポートしてくれた内容を知っていたので事前に対策を考えていた。今回の橋のダメージは前回よりも酷い。危険度が2倍に跳ね上がったとも言える。どう考えても真ん中に負荷が全て掛かる。あそこが折れたら橋が落ちる。
まぁ、実際にオラ自身の目で現物を吟味しなければ判断できないというレベルにまで壊れてる。吊り橋を見るまでは何とも言えないし、足をかけてオラの重量に耐えられるかも実際に確認せねばなるまい。そう覚悟してた。
県道から元湯に向かう入り口付近でちょっと撮影。 朝日が真横からブナ林を照らしている。早起きは三文の徳ということか、目の保養になった。 薮蚊が集ってこなければ1時間くらい堪能していたい風景だ。
出発したのは朝の4:20分過ぎ。今日は薄明るくなった時点で目が覚めたので、さっさとシャワーを浴びて着替え、途中でコンビニ寄ってメシと1Lのペットボトル入りの茶を買う予定であった。
しかし、幸畑のローソンの棚はスッカラカンで 菓子パンしかメシが無く、茶とホットケーキなどを買って県道40号線を一路、田代元湯に向けて走り出す。
青森市内から冬季閉鎖のゲートまでは深い霧に包まれていたが、ゲートを過ぎたあたりから急に朝日が差し込んだ。しかも、ここではよく観られる雲海が市街地に向けて流れ落ちるという自然の美しさを堪能。これは先行きが良いではないか!。(写真も動画も無し)
入り口に到着。ちょっと何かが変わっていた。去年よりちょっとだけ工事をしたような印象がある。
さて、県道からの入り口付近の森の中を30分ほどカメラを片手にウロウロして、そこから2分のここまで降りてきた。ムービーもあるのだが、動画を繋げて要らない所をカットするというフリーソフトに良いものが見つからない。ので省略。
去年の看板を発見。油性マジックでもあれば追記できたんだけどね。まぁ、ここに来る人は事前にネットで状況確認しているはずだから問題は無いだろう。
去年よりも深さを増した藪・・・毛虫居なければいいなぁ・・・オラは毛虫が大嫌いなのだ・・・カマでも持ってくれば良かったかな。ここから十数mは背丈ほどの藪を進む。日陰に入ると急に視界が開けるが、倒木やら張り出した枝葉が立体軌道を要求してくるのだ。
で、最初の橋ね。ここは踏んでみてグラグラするけど摺り足で進めば問題ない。但し、バランス感覚の無い人は落ちる前に最初から川を漕いで渡りましょう。とりあえず、去年の状態よりはマシってことです。
くれぐれも、単管を信用して渡らないこと。「単管がずり落ちて川に頭からダイブするかも知れない」という危険予知をお忘れなく。どん臭い人はダメよ。川をジャブジャブ渡りなさい。
崩落した斜面をいくつか抜ける。
最初の橋から最後の難関までは去年より少し藪が茂ったという感じ。とりあえず難なく行ける。
さてさて・・・去年よりヤバげな橋に到着。(800x600pix)
渡れるかっ!こんなもん!!!www
とか思うのも無理は無い。 渡らないほうが正解なのだ。 普通の神経ならば・・・だ。 ここまで来て諦めた人も多い筈。しかも去年の時点で諦めた人も多い。それが今年は難易度が更に上昇してしまった。手を掛ける単管もワイヤーも無いのだ。
「こんなとき、どんな顔したらいいか分からないの」・・・
生憎、オラは普通の神経を持ち合わせていない上に、幼少の頃にアスレチックなどの遊具で散々遊んだことや、以降も色々と危険地帯を歩き回っているので構造解析スクリプトを脳内に保有しており、どこに足を掛けるとどのように加重を分散させられるかが分かる。ここに足を掛けたらまずいということが分かる。診ただけで。子供のときに経験・習得したことは一生モノである。(ここ試験に出ます)
そして何よりも物理的ダメージ(打撲)に強く(人の倍は頑丈)、橋が崩壊して川に落ちても這い上がれ(即死しなければ勝ち)、脂肪分が多い(デブ)ので沈まない(沈めない)ってこと。 咄嗟の出来事にも強いみたいだし、こういう場所では焦らず慎重になることが最優先だということが分かっている。笑いながら馬鹿な奇声をあげて橋を揺らしたりもしない。 危険感受性が低いことは死に直結することを知っている。音と振動から限界や余裕を把握できるので引き際は分かる。
さあ、皆は最初の一歩をどこ置きますか?。どのような体勢でどうやって渡りますか?。何分掛けて渡るのが安全だと思いますか? 一応、今日時点で110kgのオラが渡れましただけ言っておきましょう。
知っていれば危険は半減する。知らないと危険は倍増する。ただそれだけのこと。こんな場所では渡り切るまで決して気を緩めないこと。しかも余裕を持つこと。ただ、余裕を持ち過ぎると危険。できるだけ慎重に。できるだけ早く渡ること。ここで言う早くは「速さ」ではない。そして体重の重い軽いでも無いかもね。
オラよりも体重が軽い人なら技量・度量・感覚に応じて渡れる可能性が高い。ただ、橋ごと落ちて流れてドザエモンになるか崩壊した橋の残骸で川底に押しつけられて圧死か溺死する危険は避けられない。
オラの知らないヒトなら「まぁ、やめとけ」と言います。今回ばかりはいつ、真ん中から折れるか分からないから。
去年、一緒に行ったメンバーなら慎重さに於いて充分であると思います。引くことも知っているからです。
橋を渡りきると深い藪で足元が見えない。何度かヌボったけど去年も同じところでヌボってるので怪我はしない。受身もちゃんと取れたし。色々と滑りやすいし、腐ってるので危ないんだよね。渡り切った安心から気が抜ける瞬間でもあるし、交差点を通過した直後の危険と同じ。
で、最初の建屋。とうとう2F部分がペシャンコ。1F部分もあれまぁ・・・な状態です。
そこかしこに残骸が落ちていて錆びたクギが空を見上げてます。
踏んだら足を貫通します。ヤバイです。しかも藪でその残骸を直視できないような状況です。
足を着くときは一気に体重を移動しないように。何か尖ったものを踏んだ感触があれば足を戻そう。
一応、草は踏み鳴らしてきましたが、植物は生きていますのですぐに立ち上がります。
今日、行くなら大丈夫かもしれません。「かもしれません」ですよ? オラは大丈夫なんて言いません。自己責任でどうぞ?です。
はい、おまたせ・・・アレ!?!?!?!?!? 誰か綺麗に残骸を片付けてる!!!
去年はもう梁が傾いていたので崩れていると思ったけど、撤去されてました。
今年の清掃作業をされた方、本当にお疲れ様でした。
また、3日以内に掃除されているようで、すごく綺麗なまま入浴できました。
湯温は・・・ちょっと熱い。我慢して3分が限界。それ以上は無理! っていうか、ブユと蚊が凄おおおおおおおおおぉぉぉぉい!!!!。刺されまくりですよ。十数か所やられました。ブユに一箇所刺された。足の甲だったので暫く足を湯に着けて治療。悪化はしなかった。
それと、準備していたゼリア新薬工業さんのプレバリンαクリームが効きます。ブユに指された部分も今回は腫れず、汁も出ず、痒くもなく・・・・非常に助かりました。
岩風呂から見た吊り橋・・・もうダメぢゃん・・・来年来れるかなぁ・・・
岩風呂・・・ええええええええええええええ!???? こっちも掃除されたんですか???
お疲れ様です!!!
ここは無理ね。
ここの湯量ももったいない!なレベル。
家に引けたら年中、24時間入り放題だべ・・・はぁぁぁ・・・勿体無い!!!。
ダム建設反対!!! ムダなダムは作るなーーー!!!
以上、青森県の八甲田から、あおもりくまがお送りいたしました。
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<2013/08/18追記>
道路工事で8月いっぱいは通行できません。