人は見たものしか信じない
常識的に考えてそれが在ると証明できないものを見聞きし、見たも者はそれが実在すると認識できても、それを人に話したとて信じて貰うのは難しい。
でも、他の人も同じものを見たとしたら、それは見た者同士では認識の共有はできる。但し、単一の物体や風景、声や音であるとは限らないが、事象の共通性はあると思う。
5時ちょい前。何時ものように真っ暗な時間帯に目的地に向かって走行してた。不意に軽く咳き込んだ瞬間、それは起きた。
急に霧が立ち込め地面は毛細血管の様にひび割れ、その上を走るオラ。時間にして数秒だと思う。実際はもっと長い体感十数秒くらい。
というのもスローモーションだったし、実際に進んだ距離は50m程度。
時速60キロで十数秒なら200mくらい進むでしょ。
意識障害で幻覚を見たのなら血管のようなひび割れは視界に固定されているはず。だが、その上を走行しているように見えているのだから、実際にひび割れた地面を走っている。霧も濃淡があるから雲の中を突き進む様に見えた。
未明で暗い周囲。ブラックアウトなら周囲はもっと見えないはず。日中でもブラックアウトなら暗くなるのだから、暗い中でブラックアウトじゃ周囲が見えるはずがない。
咳き込んで血圧急上昇したときに見えるものはこうだ。
周囲から暗闇が中心に侵食し視界がボケて耳鳴りがして星が飛ぶ。青っぽい世界に色が付き始めて元の色に戻る。星はまだ数秒ほど飛んでいる。
激しく咳き込んで意識障害を起こすと普通はそうなる。
この時は空間認識力に全力でタスクを振れば自分を中心とした周囲を丸ごと把握することで状況をやり過ごせる。
灰色で無音なスローモーションの世界を知っている人には状況を掴みやすいと思う。極限状態で色情報と聴力をカットして視力と脳のクロックを一時的にブーストするやつ。
どうも、ブラックアウトではなく、今回はそれが発動したっぽい。と、同時に見えるはずの無い何かが見えた。
見えたような気がしたのではなく見えていた。脳内のレコーダーには動画として残っている。これを書きながら何度も再生して記憶に焼き付けている。
推測するに、霊感としてたまーに見えるアチラの異相。現実世界に限りなく近いすぐ隣の重なる世界がぼんやりと視界に重なったのかもしれない。
オラは不思議ちゃんでも霊能力者でも超能力者でも中二病では無いが、見えるものは見えたものとして状況の分析を行なう。
ただそれが見えたという結果だけはオラの中では事実であり、生理現象や物理現象として疑うべくもないものと区別はしている。
このオラの見た世界に近いものって、アニメや漫画や心霊現象の再現映像では何かが出る時。アチラの世界に迷い込む時にありがちなものだと思う。
単に今回はオラがそれをリアルに見てしまったという、それだけのことだ。
使い古された古典的な表現の世界であったが、なるほど、なるほど、この手の表現が現在でも数多使われている理由は、多くの人がこの世界を見て、言い伝えているので、実際に見てきた人が多数いたって事なんだね。
納得した。
現実主義者には鳥と話せる事も妄想だと言われたが、いま、彼ら現実主義者を表現する適切な言葉を思いついた。
視野が狭い人
共感力の無い人
共感覚を持たない人
無能力者
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