以下は、いづれも青森県今別産の石英質(二酸化ケイ素)の石ころです。ただし、今別で採れるし石英質で「なんか綺麗だなぁー・・・」とか思ってても、無価値なものは無価値です。
で、石屋に持っていっても値段がつかないものがまずコレです。素人が「なんか綺麗だから拾ってしまう」という石ころです。部分的に舎利母石に埋まってた頃の名残のような跡があるものもありますが、それは岩の隙間に板状にできた石英で、母岩の跡という点だけ合致していますが、↓これは違います。
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写真1:これは舎利石ではありません。ただの石英質の石ころです。
値段がつかないほど無価値です。パワーストーンとしての価値はあるかも。 |
やや黄色みがかったものも混じっていますが、今別の石英質の石には、地層に含まれる赤褐色の色素(たぶん酸化鉄)の色がついた砂礫層があります。そこに長らく埋まっていた石英質は、多孔性ゆえにその隙間に色が沈着して赤やオレンジ、黄色に染まります。でも、そんなに深いところまでは沈着しないので、割ってみると表面しか色がついていません。
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写真2:オークションでよく見かけますが、これも舎利石ではありません。 |
さて、最後の一枚・・・ちょっと意地悪問題です。舎利石は何割ほど混じっているでしょうか?・・・
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全部が母石から零れ落ちた特徴は残している舎利石ですが・・・さてどこまでOKかな? |
答えは全部!・・・ですが4割です。全て舎利石の特徴や痕跡を残していますが、重要なのは形状です。ほぼ丸または楕円。白または半透明や飴色。黒い不純物が混じっているものもありますが、それは母石に孕んでいた痕跡の一部ですのでアリです。
そして、割れや欠けのないもの。人に依ってはそれでもOKという人も居るでしょう。でもこういったものはやはり割れていたり、欠けていると何かご利益が無さそうですよね。
実は今回の写真は、全て廃棄処分(海に戻す予定)の石だったりして。その中からもう一度吟味したところ、最後の写真のように、舎利石がまだ混じっていたんですよねぇ。
とま、あこんな感じで、よく見ないと分からないものもあるんですよ。でも、明らかに舎利石ではないというものは分かって頂けたかと。無価値なものに大枚を叩かないように気をつけましょうね。 現時点でオークションの半分以上は怪しいと思った方が吉です。
綺麗なものほど実は嘘くさかったり、テカりすぎだろ!それ絶対に研磨してるお土産品だろ!とか、 それ人工着色で舎利石の色じゃねー!とか色々とツッコミ入れたいけど、オークションしないんでコメントや質問もできないし、手持ちの石ころ並べて真贋を見比べてもらったということです。これだと名指しで偽物売ってんじゃねー!とか言ってないので、セーフですよ。
でもまぁ、外国の仏舎利見てると、結構テキトーな石ころ使ってますからね。それこそ日本では本物の舎利石以外は無価値であるような紹介が大半なので私も右習えでそうしてますけど。 だって、「これ今別の本物の舎利石だぜぇ!」とか自慢して詳しい人に見せたら「ああ、それ舎利石じゃねーし・・・」とか恥をかくことになる。
とまあ、地元の津軽衆としては、やはり良いものは良いもの。これは違うからねーとかお節介を焼きたくなるものです。
とりあえず、選別して形状で弾かれたのが左。 要件を全て満たしたのが右。
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舎利石の特徴をよく表しているものだけ分けた。 |
更に舎利石として高品位なものを選別するとこうなる。
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写真3:更に厳選して「これが舎利石だ!」というものだけをチョイスしてみました。 |
これだけ良いものを誤って海にリリースしちゃう所だったとは迂闊でしたね。 あと、ここの写真も使いたければ「撮影者:あおもりくま」という表示で使って良いです。表示義務され守ってくれればどんどん拡散してください。同じように撮影者の表示義務を文面に含めてください。