うがいしながら話しているような、扇風機に向かって喋っているような・・・
でも、その声に心当たりがあるというか、ありすぎるので起きて玄関を開けると2羽のハシブトガラスがこっち見てた。近い方の1羽は4歳ブトこと手摺ブト。目が合って5秒固まってから2羽とも逃げた。
何故逃げる・・・怒られるようなことしたんか?
ああ、そういや、こいつが生まれたときに何度も話しかけてオハヨウとか、チョーダイとか言わそうとしてたことがあったな。
そのあとで樹上から変な発声練習してて一生懸命人語を話そうとしてたこともあった。
ハシブトガラスのオスってやつはとにかくよく喋る。世間でオハヨウを言うカラスが居るとかニュースにもなったことがあるが、あれはハシブトガラスのオスだろう。
ハシボソガラスのオスも喋るらしいのだが、アイツらとコミュニケーションしてて何か喋ろうとしたようなことは一度も目にしてない。ただ、目と態度で会話するだけ。
どっちが頭がいいとかそういう事はないのだが性格とか性質が激しく違うだけで、考えようによっては言語に特化しているのはハシブトで、ジェスチャーに特化しているのはハシボソって感じだろう。
知能そのものはあまり違いを感じない。圧倒的な違いというのは、ハシボソガラスの方は気難しいので友達になるのにコツが居るが、ハシブトガラスの方は意外とチョロイって感じ。好奇心だけはハシブトガラスがものすごく強く、ハシボソガラスの方は信用とか信頼の度合いが強い。
でもって、その好奇心の塊のハシブトガラスのオスである4歳手摺ブトであるが、いわゆる一般的なカラスの中ではズバ抜けて好奇心と知能が高いヤツで、オラが出勤のために外に出て玄関を施錠していると、フォッフォッフォッフォ・・・カーン・・・ズザザザザザ・・・じぃーーーーーーーーー、、、、と背中に熱い視線が・・・。
一時期は階段の隙間からコッチをガン見するのが趣味だったこともあるが、去年、奥さんをゲットしてからは大人なったというか、態度がちょっと余所余所しくなった感じもあるが、それでも仲良くしたいが同族に見られている以上、人間と仲良くしているところを見られたくない無いらしく、今回も奥さんが一緒だったこともあり、奥さんが飛んで逃げたと同時に飛んで行ったが、マジックプレークピーナット味を放り投げると目ざとく戻ってきて加えて逃げた。
もう一枚、奥さん用に投げたが奥さんは飛んでこない。待ってても来ないところを見ると、旦那から貰うから別に危険を冒して(オラは全然危険ではないのだが、一般的に人間はカラスを嫌ってるから意地悪されることも多く、カラスにとって何をされるかわからない生き物である)まで取にくる必要もないと思ってるのだろう。
まぁ、旦那が奥さんに口移しで食べ物を与える求愛の給仕というか、このラブラブ野郎!的な給餌は見ているこっちがイラっと来る程のラブラブぶりなのであんまし見ていて微笑ましく無い。子ガラスへの給仕は思わず顔面の筋肉が弛緩するほど可愛いんだが、ハシブト夫婦のラブラブがイラっと来るのはバカップルを見ている感じに近いからだろう・・・。
いづれにしても、求愛の言葉だったのか、人語を話すことで知り合いのオラを呼んでたのか。
ある種の鳥は色んなモノマネをしてメスの興味を惹くヤツも居る。世界丸見えだったか、動物奇想天外だったかで、オスがメスに求愛するときに、携帯電話の着信音を発声していたのを見たことがある。
それに近いのか、それともやはり人語を話すことでオラを呼びだしていたのか・・・「オラだよー、出てきて何かクイモン恵んでくれよー」とか、カラスが個体識別できるように、オラが鳥さんの個体識別ができるように。
カラスは仲間も人間もほかの動物でさえもしっかり個体識別できる。
人間でそれをできるのはごく一部だから、カラスから見たらほかの人間とは明らかに違うと思うのだろう。同族の仲間という区切りの他に、鳥類には数多の動物たちの中から自分たちに理解のある者を区別する性質がある。
もちろん、スズメも個体識別という能力をカラスと同レベルでできることを確認している。
普通、人間や犬なんかに近づくスズメなんかあり得ないし、猫にエサを分けてもらうカラスなどもっとあり得ないのだが、実際は違う。敵ではない相手は恐れる必要も逃げる必要も無いという感じ。
何もしないということさえ分かれば敵ではないという思考をするのもまた鳥類の知能の高さ。オラが鳥さん萌えなのは、あの小さい脳みそで犬や猫に匹敵・・・いや僅かに上回る知能があることに関係しているからだ。まぁ、フワフワボディーに固いクチバシ。極端に細い脚と恐竜のような足。そして自力で飛べる生き物ということもあるけど。
あと、頭頂部が特にフワフワだから。
ハシブトガラスの頭頂部は推らく鳥さんの中で一番フワフワであろう。
ちなみに頭頂部が逆立つときは警戒しているときが多い。
カラスが嫌いな人はカラスが怒髪天のときに近づかない方がいい。
もっとも、感情が高ぶっているときも逆立つので、クレクレの時も逆立っているのだが。