覗き見チュン登場
寒さも厳しくなったと感じられるようになった今朝であるが、会社の駐車場に着くなり4羽の成鳥チュンが草むらからスパローミサイルがごとく発射され、そしてオラが停める駐車位置の50cm横という定位置に着弾する。
それぞれにMAXフワモコ状態を競うがごとく膨らみまくって首だけがキョロキョロと周囲を見回すその光景をほぼ真上から鑑賞出来るのは幸せの極みか、それとも奇妙な光景なのかは第三者視点に委ねるとしよう。
オラは途中で買ってきたサンドイッチの端っこの何も付いていない部分を赤信号で止まるたびに千切っては細長く丸め、チュンが端っこから一口ずつ噛み切れるようにしておいたそれを上げるのが日課である。
これほど寒くもなると早く食いたいのか辛抱たまらん覗き見チュンは「さあよこせ、さっさとよこせ」とばかりに自分の姿がオラの目線に入るように垂直に飛び上がっては地面に降りるを繰り返すのであった。
いや、見えてますから。そう何度もして無駄なエネルギー使わなくても良いし・・・
コンビニのサンドイッチのパンは日によってパサパサの時もあれば非常にしっとりしているときもあって、チュン専用の圧縮パンを作り難い日もあれば非常に丸めやすい日もある。今日のサンクスのサンドイッチはしっとり感がよく丸め易かったが、ローソンのパンはパサパサの日が多い。
さて、その圧縮した細長いパンを10個ほどまとめて窓から真下にばら撒く。
4羽に対して10個もバラまけば喧嘩もせずに済むのだが、何故か他人が食ってるやつが美味しそうに見える心理状況がチュンにもあるのか、取り合いが発生することが多い。
そして相変わらず催促する割にいつも落ち着き払って「どれにしようかな?」と吟味してから一番食いやすいものを選ぶ覗き見チュンだけはクマ号運転席ドア真下が定位置のようで、周りに大量の圧縮パンがあるのを至福と感じているのか満腹になるまでそこを離れず、オラがニヤニヤしながら上から覗くと「なんだよ?ヒトの食事をジロジロ見んじゃねーよ」的な目つきでにらみ返すのであった。
ちなみにチュンとの付き合いは非常に長いのだが、怒る。命令する。嫌がる。強請る。伺うという行為が主体で、喜ぶ。デレるという行為は見たことが無い。いつも何か言いたげな顔で「察しろ」と言わんばかりのジェスチャーを振り撒き、高等生物である人間に察することができるだけの表現力を見せ付けては欲求を満たそうと必至である。
こんな稲荷寿司サイズの20gあるか無いかわからないプチ生物にしては非常に高等な思考回路を持っていることは付き合い始めたことからその片鱗を見せ付けられて知ってはいるのだが、それに慣れてしまっているオラですら、そういやスズメ相手にこうも意思の疎通が測れるってのは変な現象だよなぁとたまに我に返ることもある。
スズメ=警戒心が強い という説明はもう図鑑から削除した方が良い一文であるとオラは豪語したい。
そうそう、付け加えるとしたらこうだ。「非常に人懐っこくお強請りが上手い」これで決まりだろう。