車の中を覗きこむチュン
道路の向こうから「シュリシュリシュリ」という微かな鳴き声が聞えるようになって1週間。
その数もどんどん増え、今年はいつもより聞こえる声も多い。
夏が暑いと鳥の出生率も上がるらしく、今年の夏の気温が予想できそうである。
親鳥たちも必死で、朝に家を出る時と会社の駐車場に着いた時に熱烈な歓迎を受けるのだが、やはり変わり者というのはオラを含めてどこにでも、どの種族でも居るようで、とうとうオラが車でラジオを聴きながらメシを食っていると飛び上がってきてオラの視界にわざわざ姿を晒すやつまで出てきた。(その距離30cm)
気づいたんなら早くヨコセと言わんばかりに地面でシッポを天に向けてピン!ピン!と振り、ヂュンヂュンと濁音混じりの声を上げるのであった。
朝は出勤を邪魔され、駐車場では一服を邪魔され、昼休みは昼寝を妨害され、帰ると家に入れてくんない。
こいつらの思考は他の生き物に対して敵か味方かのどちらかしか無いので、敵には居なくなるまでヂュヂュヂュヂュヂュヂュヂュヂュ!と言い続け、味方には詰め寄ってきたり、敵から逃れるために人を盾に使ったり、メシをくれる相手には容赦なく催促をする。
スズメは警戒心の強い野鳥だと言われるが、自己主張の強い野鳥の間違いではないだろうか。
一方でカラスであるが、家の近所ではボソもブトも子供が産まれ階段の手摺りにカーン!と着地する4年前に公園で生まれたブトもお父さんになった。
玄関を開けると階段の段差のところに横向きに鎮座してて、頭を水平に下げたあとでジーーーーーっとこっちを見ている。特に鳴く訳でも詰め寄る訳でも無い。単にお伺いを立ててるのだ。
「何か貰えませんかねぇ、うちの子が腹を空かせているもんで。いやいや、無理にとは言いませんよ。何か食べられるものであれば何でも・・・」そんな態度である。かなり下手に出る。昔は会談の隙間からォア!ォア!ォア!とか捲くし立てていたくせに、随分と大人になったものだ。
西ボスさんは最近また公園に行っていないので知らないけど、彼のことだから上手くやってるだろう。
日曜の朝に貯食分を含めてたんまりと救援物資を渡してきたし。
オラがそうそう頻繁に公園に行かなくなったのを知っているはずだから相手がエサの貯蔵よりも縄張りに侵入してくるブトの追い出しに忙しくなった時点で物資の提供は終了。
いつもはオラが立ち去ろうとすると横を同じ速度で着いて来るのだが、それもしなくなったし。
そうそう、会社の脇の空き地からンギーーーンギーーーと聞こえるので窓をガラ!と空けたらボソの子供がフラフラと歩いてた。目が青いし鳴き声や挙動が子供だとすぐに分かるくらい。
親は駅前の交差点を中心として縄張りをもつ人間観察好きのハシボソ。歩行者用信号の上から人間をガン見するのが好きな変なやつだ。
まぁ、巣の位置は見当が付いている。あすこなら毎年、誰からも邪魔されずに営巣できるだろう。
昨日の朝に青い海公園のラブリッジで標識の上から威嚇してきたハシボソのオス。
その直前にブトを追い出してギャーギャー喚いていたので子供がポンプ小屋の間に居るのだろう。
オラに向かって大声で威嚇してきたが、オラはカラスに威嚇されたくらいでは屁とも思わないので直視し返してたらねぶた団地の方に飛んで行った。
こいつはどこに営巣しているのか辺りを観察してみたが分からない。ベイブリッジのような高所に営巣したら子供が落下した時点で死ぬしなぁ・・・今度行動観察して巣の位置を特定してやろう。
という感じで最近は子育て真っ最中の野鳥共の行動観察が身近で出来るので結構ヒマしない。
そろそろ子連れでその辺を徘徊するのが増えてくるだろうから、迂闊に接近しすぎて親鳥に怒られないようにしなきゃならないな。