まだ救出作業してないんだ。
空気を送り込んでガスの濃度を下げないと危険な場所に、事故に巻き込まれた人が生きているとは思いにくい。
誰かが言ってたけど、空気を送ると爆発の可能性が高まるって。安全対策には絶対は無いんだし、どうも安全対策に掛けるお金をゼネコンはケチっているのかもしれない。
中の人が無事である前提で「救出」という言葉を使っているが、ニュースで一切「無事な理由」が流れていないのは、こういった公共工事の安全性に関する無関心さを露にしないためなのか。
「救出」だから助け出すってことで大怪我をしていない場合は無事。でも、死んでいる人を運び出すのは救出とは言わないだろう。それは遺体の「回収」って言うんじゃないのか?。
ではここでオラが疑問に思うことを挙げよう。
- 救出というからには、中の人が特に大きな怪我を負っていない場合、酸素や水など生命維持に必要な緊急物資や装備があるから?。あるから救出と言う言葉を使っているんでしょ?
- もしも、それらが無い場合は救出ではなく遺体の回収という作業に等しい。だって、これだけ長い時間、高濃度のガスを吸い続けて無事な訳が無い。だから救出と言う言葉を使うからには脱出できない場合の安全策がある前提からだ。
- 事故が発生したときに酸素と水や食料を確保できる密閉性の高い避難所があるのか?。無ければ 死んでるでしょう。あの資材のぶっ飛び方を見る限り凄い爆発だ。爆発するってことは一瞬で酸素を使い切っているだろうし、ガスが染み出し続けている以上、開通していないトンネルに酸素は無い。あるのは爆発したときに発生した二酸化炭素や一酸化炭素。そしてガス。空気は無い。空気が無いなら呼吸ができない。数分で死ぬし、酸素ボンベが用意されていないなら安全策は取っていない。
- どうして今になって空気を送り込んだのか。爆発直後は残り火があるかも知れないから酸素が無くなって残り火が消え、充分に熱せられたものが冷えるまで待っていたからだ。酸素が無くなって引火の可能性が下がったから空気を送り込んでいる。つまりトンネル内には酸素が無い。つまりのつまり、呼吸できない。
- トンネル本体とは別に退避用の壕や避難所、地上に逃げる縦坑はあったのか?。もしものときに逃げられる手段はあったのか。安全に避難する場所があったのか。それらは用意されていたのか。
つまり、人命尊重がこのような危険な現場で重視されていたのかということが争点になる
素人考えでは、このような工事現場で必要な安全策は上記に重複するが以下のとおりである。
- 潜水服タイプの軽くて機密性の高い防護服作って、その服にホースで空気を送ればいいってこと。他には、そういう事故が発生する可能性があった時点で、トンネルの奥まで20m間隔くらいにアタッチメントつけた空気の配管通して、同時にそれを接続できるホースの付いたガスマスクを準備するとか。
- あと、救助隊が潜水用のボンベを背負って行けるかは別として、火花が出ない構造の電気自動車で行けるところまで行くとか。ガスの濃度が下がるまで取り残された人の救助ができない工事現場ってのはリスクアセスメントがされていない。
- つまり、死傷者が出る可能性のある工事現場で、その事故が発生した場合に対処するプランも装備も用意されていないまま工事が続けられていたというのは、そこで働く人の命を軽んじているとも言えるし、トンネルの途中に別の通路を作って数百m間隔で地上に出れる竪穴を作っていたのかということもある。
- 仮に脱出できない場合でも、作業現場に充分な数の酸素ボンベが配置されているのかと言う問題。仮にあったとしても数が足りなければ窒息死という死のカウントダウンという恐怖に晒されながらいつ来るか分からない救助を待つということに。
- 事故が起きる⇒事故の結果から対処を考える (現在のリスクへの対処) 起こり得る事故を想定する⇒起こった際の損害・被害状況・確率・重篤度を見積もる⇒それを起こさないための対策を始める前に対策する (リスクアセスメント) これは工事現場とかで軽視されがちなんですよね。
- 土建屋の単価や入札金額がベラボーなのは、事故・怪我・死亡した際の損害賠償の費用を見積もりに入れて、肝心の人命尊重を軽んじているから。保険屋が間接的に払うんだろうけど、保険金は土建屋が払うだろうし、それが工事費に転化されているだろう。 逆に言えば、その費用を安全対策のために使おうという考えが無いのか?ということ。
安全対策を考慮したというのであれば、少なくとも素人が思いつくようなこの程度の装備、施設、対策を行なうべきであって、この安全衛生の厳しくなっている時代に、業種によって安全意識に大きな差があるというのは、仕事の危険性を無視しても業種ごとに明文化したうえで法律で強制すべきだ。
消防署に責任は無い。
このような事故が発生した場合のリスクアセスメントをしなかったゼネコンが救出手段に必要な資材や機材、車両が無かったことに問題がある。
もちろん、今回の事故を元にレスキュー部隊が準備すべき車両・装備・資材の参考になることを望む。そして、もしも無事であれば早期の救出と、早く家族と生きて再会して欲しい。
同じ仕事を長くしていると、人間ってイキモノは危険に鈍感になる。そういう場合、外から見た意見を積極的に取り入れるかは、その業種における安全管理組織に居る人間の柔軟な思想・発想と、低予算でそれを実現するための着想や技術だと思う。