冬の入口は野鳥との距離が近づく
寒いから体力が奪われる。つまり腹が減る。
唯一この辺で自分たちの言葉をほぼ正確に解する人間は数少ないから、鳥たちが顔を覚える人間と言ったら敵か味方かのどちらか。関心がない人間には関心を示さないから、この敵か味方かだけをきっちり認識できればいい。通勤経路でこの鳥が言ってることが分かる人間は少なく見積もって3人は確実に居る。そのうち2人は犬を飼っている。その2人の内の一人は猫好き。残る犬を飼っていない一人はオラと同類である。
桜が終わる頃には食べ物が豊富に在るから人間との距離は急に広がる。 余程の事がない限り人間に近寄らない。一応は人間に近寄るということにリスクを感じてはいるようだ。
で、余程のことが起きると来る。 子育て大変だよー!子どもたちにメシ食わせてるから自分で食う分が無いよー!ハラペコだよー!とか言ってる。で、味方の人間のところに出向いて、話しかけてくる。それこそダイレクトに。顔見てぶっ飛んできて、食べ物ぉー!って言ってる。必至度を数値に表すのは非常に簡単。距離=必至度であり、距離が近いほど切羽詰まってる。
で、ここ1週間ほど前からそれが始まった。ほぼゼロ距離コミュニケーション。普通に手が届く距離で鳥と対面。若しくは真横に来て直接交渉。オラはハト以外の鳥さんは交渉の対象であり、ハトなんて無粋な生き物が居なければとっくに手乗りスズメやら手乗りカラスなんて芸当も普通に出来ていたであろう。
まぁ、最近はそのハト嫌いという性格が鳥にも解ってきたようで、鳥の方も上手く立ち回ってきている。うむうむ学習しとるな、ほほう、そう考えるのか。なるほど・・・言葉が分かるだけ、スズメの立場やカラスの立場なんかも分かるし、こいつら知能が高いから個性なんてものもあってそれぞれ考え方が違って面白い。
先週なんて、昼飯食って車で寝ようとして歩いていたらスズメがぶっ飛んできて20cm横のチェーンに停まってこう言ってた「もう!待ってたんだから!遅いよ!もっと早く来てよ!」。かなりご立腹である。自分の停まっているチェーンに超高速で交互にクチバシを擦っている。ただ、その20gの鳥が怒ったところで害はなく、ただ可愛いだけ。世間一般の鳥好きはこういうのを「チュンデレ」と言う。