ハゲ子はまだ禿げだった
頭に禿げがある西ブト一家の長男。
内気な次女に、足を怪我した末っ子。
三羽揃えば左横1mにまで来るのだが、バラバラだとすぐに性格が分かる。
足を怪我した末っ子はジャーキーを1本渡しても足で押さえつけることができず辛そう。
千切ってやると喜んで食べてた。
禿げの兄貴は妹や末っ子から食べ物を強奪しては大威張り。
ハシブトって子供のときから仲が悪いよな。
大人になって奥さんができると、奥さんにはすげー優しい。
ハシブト一家に混じってハシボソの子供が1羽。西ボスの子供だな。
苛めたりはしないのを見るとやはり協定があるようだ。
西ブトの末っ子が禿げ兄貴を避けて10mほど離れた場所に逃げる。
一人でゆっくり食うつもりのようだ。
禿げ兄貴はオラの目の前を興味深く行き来しては首を傾げている。
何か言いたそうだが、子供だけにまだオラの視線の読み方を知らない。
親なら知っているのだけどね。
その親はというと、オラの右後方で木を挟んでこっちを黙って見ている。
煩く騒いだときに思いっきり叱ったことがあるから物音ひとつ立てない。
カラスが人間の言葉を理解できるかは分からないが、オラがカラスの目線と表情、態度と鳴き声でおおよその感情を読めるのと同様に、少なくとも公園のカラスはオラの言葉と目線と態度で何を言っているか理解しているようだ。
目が合うと一歩前に出るところを見ると目線を読んでいるのは分かる。
公園の石碑の前でベンチに腰掛けているとスズメも気づいて寄ってくる。
相変わらずのチュンチュン野郎で、激しくコッチに投げろと視線が要求してくる。
普通のスズメなら人間が近寄ると逃げるのだが、公園のスズメの半分は、遠くからオラを見つけて真っ直ぐに飛んでくる。
池の前の大きな石に腰掛けていると後ろに立ってチュンチュン言ってるのから、視界に入ってくるのから、ハトが居ない場所に陣取って、いまだよ、投げるならコッチとばかりに投げて欲しい方向に体を向けてるのまで様々。
ずーっと向こうにカルガモの大集団が居たのだが、オラを見つけては毎回せびってくるのが居る。
親が1羽に子供が9羽の例の連中だ。呼んでも居ないのに、こいつらだけは来る。
親の見分けは簡単で、胸のあたりの羽毛の違い。模様がハッキリしているのが子供で、少しぼやけているのが親だ。
最後に西ボスに会いに行ったのだが来ない。
仕方が無いから行こうとしたらボソ子が民家の屋根に飛んできてこっちを見ている。
堤防の上に割ったドーナッツを置くと降りてきたが、それを見ていた西ブトに取られる。
その時点で初めて西ボスが登場。
遅いんだよな・・・
おなかの調子が良くないので、残りのドーナッツを放り投げる。
西ボスと西ブトの争奪戦。結局、西ブトが3倍ほどゲットして飛んでいく。
格好つけてないで、取ることに集中すりゃいいのにさ。
前にも書いたが、鳥のハゲはビタミン不足によるもの。
食べられる木の実はまだ無く、ビタミン不足を補えるものは無いだけにあの肌色のハゲ頭は不憫だ。
バナナは前にやったけど食わないし。リンゴは冬には食うけど、夏に食うかは不明。
これから実るものといえば「ヨウシュヤマゴボウ」の実だが、まだ少し先だ。
カラスやヒヨドリ用にとヨウシュヤマゴボウを放置しているのだが、あまりに大きく育ちすぎたので今年は3本だけ残している。
実が紫色になったら差し入れてやろうか。
去年は西ボスさんにたくさんのヨウシュヤマゴボウを差し入れた。
人間が食うには問題があって、昔はワインの着色用に使っていた時代もあるが、今は毒草なので放置。
実には毒は無いということだが全草が有毒なので人間は実を食べないほうがいい。
カラスやヒヨドリは良いのかって?。
彼らは食べられるものかそうでないかを分かっている。
また、人間にとって有毒でも彼らにとって有毒ではないものは沢山ある。
池の周りには釣ったザリガニの死骸がポツポツとある。
草地を歩いていると時々、バリバリって音がする。見るとザリガニの殻だ。
ハシブトが食ったんだろう。
釣ったら池に戻してはいけないルール。
池のサリガニ退治と、持ち帰っても飼えない家庭の事情。ハシブトの食欲というお互いのニーズが合致している。
だから、サリガニを釣ったら陸地に放置しておけばハシブトガラスが食ってくれる。
釣ったザリガニがかわいそうだとかは置いといて、増えすぎたザリガニ退治には人間とハシブトガラスの利害の一致をを利用してはいかがだろうか。
ちなみに、基本的にハシボソガラスは食わないよ。ザリガニ。
茹でて剥いてやれば食うかもしれないけど。
どうもハシボソガラスは生肉や生魚が苦手なようだ。
でも、小泊漁港のハシボソは生魚を食うんだよね。
カラスも地域によって食文化が違うようだ。