ハシブトガラスって結構なんでも食うんだな。梅干し食うのは意外だった。
弁当の中には特に食いたくないものとか、脂っ気が多くてカロリー高いから残すものがあるんだけど、ポイポイ放り投げるとすべからく食うことに驚いた。
天ぷらの衣とか唐揚げの皮(脂身)部分なら大好物なんだろうけど、キュウリのキューちゃんとか、梅干しまで食うとか意外だった。
鳥は辛味成分。つまり舌にとっての痛覚を刺激するものが平気なので激辛のものでも躊躇なく食う。そもそも辛いもののなかでも唐辛子は鳥にとって虫下しでもあるので下に痛覚のない唐辛子は平気。
でも、流石に酸っぱいものとかは食ってからペッペッ!と吐き出すかと思ったが、種を避けて身だけを丁寧に食ってるところを見ると、酸っぱいものにも耐性があるようだ。
見てるこっちが唾液腺を刺激されるわい。まあ、梅干しは嫌いではないのだが、梅干しの中にはあまり美味しくないものもあるので、放り投げたのだが、食ってやがんの。
でも、レモンとかも平気なのか気になるな。飼ってるならともかく、顔見知りのカラスが居ると信頼関係もあるから野生のカラスに対して色々と趣向を試せるのは面白い。
気の引き方や、威嚇の方法や意味、カラスが怖がる(嫌がる)方法を試せたり、性格も分るだけではなく、もっとカラスの本質的なこともどんどん分かる。
ハシブトとハシボソが縄張りの境界を接している場合の、攻防戦も見られるし、この2種のカラスのどちらを利用するとどうなるかという複雑なやりとりも分ってきている。実際のところ野生動物なのだから深読みせずにありのまま理解するほうが単純で理解も楽なのだが。
駆け引きとか博打が嫌いなオラとしては、こういった金の掛からない駆け引きは面白い。今年は多分、この境界線の攻防を利用すればカラスによるカラス避けも上手く機能する。
そうそう。毎年、近所の公園では桜祭りのゴミでカラスの大群が周囲に押し寄せるのだが、今年は新型コロナで花見が禁止されたので、カラスは大挙して来ない。
これはカラスが悪いんじゃなくてカラスが大群で押し寄せるのは世間一般大多数の普通の人が「食べ残しを大量に発生させる」こと原因が原因。食い物を粗末にしているから、食べ物を大事にするカラスが食べているだけ。食べ物を粗末にしなければカラスはゴミを漁らない。
オラは基本的に特定のカラスに縄張りを守るように仕向けて、その他大勢のカラスを追い払わせているだけ。曖昧なままにするよりも、目的を達成させたい相手を指定して、任務を与える。向こうは任務とは思っていないが、カラスの習性や性格を知り尽くしているとこの辺の駆け引きを上手く利用できる。
報酬はほんの僅かな食べ物であるが、他のカラスにそれを取られたくない強いカラスが縄張りで防衛線を張れば、その他大勢のカラスは侵入してこないのだ。
これは「カラスを使ってカラス避け」というカラス研究では至極当たり前のことなのだ。馴染みのカラスには躾もできるから、自分家の周辺では威嚇の声を出させない事もできる。躾と甘やかすは違うから、分かっていない人は大抵は失敗してカラスに主導権を取られる。まあ、カラスを少しでも怖いと思っている人間には無理な話であるが。
怖いという感情は動物にはすぐにバレる。これは相手がクマでも同じだ。こっちが怖がっていないことで相手を惑わせることができる。惑わせるということは悩むということ。つまり、いきなり襲うという行動を一時停止できる。考える時間が動物にあれば、向こうも冷静になってこっちを観察する。こっちに敵意がないと分かれば衝突を避けられる。
つまりカラスだろうがクマだろうが本質は同じ。
ただ、北海道でヒグマに遭ったらどうなるかは・・・まだ未経験である。