鳥インフルエンザの再発防止を指導しても無くならない訳
毎年、多大な損失を出して他人事でいると自分の所もそうなるってだけ。
だから被害が及ばない内は学習しないし、自分のところの見回りをしても目視だけでどうすれば良いのか分からないと思う。そもそも鳥の大きさや入り込む余地がある場所が分からないのでは見回っても無理。
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オラの視点ではいつも動物目線だから見るべき場所は普通の人と違う。エサがどこにあって、どこから侵入すれば良いか。安全かどうか、動物目線で「ここはリスクが有る」「ここは安全」という判断をする。でも、一般人はそういう視点を持たないし、鳥の習性も知らないのでいくらやっても無駄無駄無駄ぁ。
鳥の種類、食性、習性、入り込める余地、見通しの良し悪し、鳥から見たリスクの有無、そして、入る前に確認するために留まれるかどうか。鳥の種類に依っては木なら垂直の壁や天井に留まれるものや、留まれないもの。頭さえ入れば体が通れる通れないなどその辺まで考えないと網の目が大きいだけでネットが意味をなさないこともある。小鳥と言ってもスズメより小さい鳥も居るんだから、まずは野鳥ハンドブックを買って、食性とサイズを確認。周囲の環境からどのような鳥が居て、鶏舎に入れる余地があるかどうかまで考えなくてはいけない。
また、侵入経路を塞ぐ方法。使用する材料とその材質に依っては耐久年数もあるし、メッキの金網でも錆びるし綻びはできる。ビニールやアクリル、ポリの網でも日当たりが良ければ紫外線でボロボロになるし、雪が落ちる場所では網が破れることもある。
考えるべきことは山ほどある。単純に隙間を作らないと言っても構造上の欠陥があれば侵入は防げない。また、食性と環境で水鳥と重なる部分があれば、そこで渡り鳥から留鳥への感染が起きる。渡り鳥はどんなものか、留鳥はどんなものか。渡り鳥=水鳥だけだと思っていたら大間違い。ツグミだってシベリアから飛んできている。ハウチョウやカモと同じだ。そのツグミとスズメに接点があれば、カモやハクチョウやツグミを排除できる防護柵では意味がない。間接的に、ハクチョウ→カモ→ツグミ→スズメ→更に小さい鳥→侵入経路→鶏やアイガモという感染もあり得る。無いとは言い切れない。
それに、アカネズミって知ってるのかな。凄い小さいネズミだよ。それこそ大人の指先ほどのネズミ。ネズミ=クマネズミ(ドブネズミ)なんかと一緒に考えても駄目。つまり1cmちょいの隙間があれば入れるんだよね。スズメや更に小さいエナガよりももっと小さい。鶏のエサを食べに出入りする可能性だってある。
鶏舎内の移動経路が土のままだと靴底の溝に土が挟まり、消毒液に漬けても鶏舎内に土は入り込む。つまり移動経路の土に野鳥の糞が落ちていればそれが感染経路にもなる。もっとあるぞ。まあ、ここでは書ききれないし、オラが実際に1施設ずつ見れば気づくこともあるだろうね。
多分、専門家や農家でさえ気付かない視点で見るから。それに点検前から作る資料が重要。それをせずに文章だけでチェック項目を見ているのだったら無意味もよいところだ。オラなら行く前に既に農場の見取り図を含め、必要な事前情報を得た上でチェックに入る。それがネットを駆使するとか、作図のスキルが有るか無いかでもチェック方法が全く違うんだから。
いやぁ、そういうの得意な人が居ないので・・・とか言ってる場合じゃない。出来る人を探せば良いじゃん。野鳥の専門家、森に住む小動物に詳しい人を探せば良い。それら人材を集めて意見を出し合えばできる対策は増えるし、例えば鶏舎の近くに池があり、そこの水を使ってるってだけでアウト。
数年前に発生したジャパンフォアグラの敷地を見れば、高い位置に池がある。なんでこれを放置したんだろう。危険と思わないのかな?気付かないのかな?と不思議に思う脆弱性があったんだよね。やはりフォアグラのエキスパートでも自然の営みの素人だったってだけなんだよね。
だから、畜産農家は自分のところで飼ってる家畜の知識だけあれば良いという訳にはいかないのだ。周囲の環境とそれに関わる生き物。植生、生態系やそこに住む生き物の習性などを全て洗い出さないといけないし、生き物だけではなく地形なども影響するんだよね。
施設も昔のままじゃいけない。そろそろ別の視点から設計された鶏舎ってのは必要でしょうよ。土を剥き出しにしたまま鶏舎を移動しているのでは論外かと。あと、飼料のサイロとかも見なきゃね。