一晩で降ったのはずっしり湿った20cmだけ。10年に1度の寒波と言っても「平年に比べて」である。
帰宅時は寒かったが、気温が上がったので急に暖かく感じたと思ったら雪が湿ってクソ重い。
玄関を開けると雪にたくさんの足跡。ランダムに在るのではなく、特定の位置に向かって2筋。去年のスズメはコメの隠し場所を知っている。つまり、特定の個体が行きている証拠でもある。
スコップを立てかけた壁沿いの隙間。ふた握り分のコメはすっかり食い尽くされ、もう一箇所の隙間に隠したコメも無い。見知った者の犯行である。
スズメは集団行動で襲われる確率を下げるため、朝の点呼で仲間をどんどん呼ぶ。それだけ多ければ天敵に襲われてもマヌケな個体が餌食になるからという理由。この辺にはツミだかチョウゲンボウだか知らんがハトサイズの猛禽が近所に住んでる。賢い個体はオラが絶対に襲わないのを知ってるし、絶対に踏み潰さないので足元をウロチョロ。流石の天敵も人間には近づけまいという理由だろう。玄関付近の隙間に隠れてじっと待機している。実に張り込みのプロの行動だ。
小動物で顔面が緩みまくるオラの習性を利用して遠慮なく絡んでくる。いつも通り動きが干満なので年老いたスズメなのだろう。自然界でのスズメの時平均寿命は1年4ヶ月だとか。
少し前には3~4年と聞いてたのだがね。知ってるスズメはもっと高齢だったよ。多分、3~4年どころでは済まない。羽毛もボサボサ、所々禿げてる。クチバシも笹暮だってボロボロ。眼光は鋭く、何かを達観したような面構え。人の顔を見て「やっと来たか遅いぞ」と言わんばかりにアクビをして見せ、遠慮もなく「構ってやるからエサをよこせ」って顔して真正面でメンチ切ってる。怖がる様子もゼロ。
オラが老雀を中身はオッサンだと言う理由がこれ。
このやりとりもまた冬の風物詩でもあるオラとスズメのやりとり。
この年末年始。今度は10年に1度の高温だとか。それはそれで雪かきもなく楽で良い。